蒼光裏話

<言葉>
○部隊名の略語
 ・特殊突撃部隊(Specialized Charger's Unit)
   → 特撃隊もしくは特撃(とくげき) (「SPCU」もしくは「SC」)
 ・特殊機動部隊(Specialized High-Mobility Unit)
   → 特機隊もしくは特機(とっき) (「SPMU」もしくは「SHM」)
 ・特殊特務部隊(Specialized Task Force Unit)
   → 特殊隊もしくは殊特(しゅとく) (「SPTU」もしくは「ST」)
 VAN内部ではこの略語の上に番号をつけ、第○特撃、第○特機、などと呼んでいる。
 通常の部隊でも、「○機動隊」など、「第」「部」を省略する呼び方があったりする。
<蒼光1>
○冒頭で光への勧誘がかなり遅れていた理由
 光が襲われたのはVANの内部で指示が倒錯していたため。
 その原因はセルファの空間干渉能力。セルファがVANからの指示を僅かに歪曲して伝わるようにしたため、現場の構成員に正しく指示が伝わらなかった。セルファが指示を乱した理由は、ROVが動く時間を与えるためであり、セルファが刃に光の覚醒を伝えたこともあり、本来なら光に接触し、穏やかに勧誘をするはずだった構成員が既に殺され、情報が乱されていた。代わりの人間は好戦的かつ、謝った情報を持っていた(光が勧誘を断り構成員を殺したと思い込んでいた)ため攻撃に踏み切る。同行していた者が攻撃したことを咎めるものの、光の覚醒が始まり、止むを得ず一時撤退。因みに、この時まだ光は完全に覚醒しておらず、精神が揺さぶられただけで直ぐに気絶してしまった。二度目にセイナの力で促された際に完全覚醒。
<番外、その他の背景設定>
○具現力の受け継がれ方
 基本的には血筋により受け継がれて行くことが多い。両親が覚醒していない場合は、両親が潜在的に持つ具現力のうち一つが継承されるのが基本とされる。妊娠に至るまでにどちらか一方が覚醒していた場合、覚醒している方の親の持つ具現力が受け継がれることが多い。また、両親が能力者として既に覚醒している場合、生まれた子供には二人の力が継承されることも少なくはない。
 もちろん、未覚醒の親から生まれた場合でも二つの力を持つ者はいる。
 継承の仕方は、
 1.どれか一つ
 2.二つ以上
 3.全く別の力が生じる
 4.両親の力を1・2のどちらかで受け継ぎつつ、更に全く別の力も持つ複合型
 の4つのタイプがある。
 確率的には1>3>2>4の順番に低くなり、二つ以上の力を持つ者は全体から見ると少ない。これは、能力者の絶対数がまだ少なく、両親がともに覚醒している状態で誕生した能力者が少ないためである。
 二つ以上が継承される場合、能力特性や個人差によって、同時発動型・個別発動型・自由発動型の三種に分化する。

○発動形態
・同時発動型
 二つ以上の具現力が全て重ねがけされた状態で発動するタイプ。受け継がれた力の中に補助的な要素が強いものがあるとこのタイプになり易いとされている。
・個別発動型
 二つ以上の具現力を個別に使役できるタイプ。相反する力が受け継がれた場合になり易いとされている。
・自由発動型
 同時発動、個別発動、双方が自由に切り替えができるタイプ。


○VAN初期メンバー
 VANの前衛となった能力者集団を構成していた初期メンバーは、アグニア、セイナ、ゼルフィードの三人。
 そこから人数を増やしていき、アグニアが国を興すことを提案、VANの発足に繋がる。VAN発足の際、セイナは正式なメンバーとはならずに協力者に留まり、ゼルフィードはVAN発足前後のいざこざの中で重傷を負い、行方不明に。再びアグニアの前に現れた時、ゼルフィードは組織の裏方に回る。

○部隊の役割や選定基準
・突撃部隊
 基本的には戦闘能力の高さで隊長が選ばれる。攻撃的な能力が好まれるため、「閃光型」「自然型」などが隊長に選ばれ易い。
・機動部隊
 基本的には汎用性の高さで隊長が選ばれる。攻撃力よりも応用性や幅広い範囲、戦略の取れる力が好まれる。「自然型」「空間型」が隊長に選ばれ易い。
・特務部隊
 基本的には特殊性の高さで隊長が選ばれる。他の部隊と比べて局地戦向きな力や、奇抜な能力が好まれる傾向にあり、「空間型」「特殊型」などが隊長に選ばれ易い。

○各方面師団
 世界を各地区に別けて、それぞれを室長の管轄として各師団を設置する。方面は北アメリカ、南アメリカ、北欧、東欧、西欧、ロシア、東アフリカ、西アフリカ、南アフリカ、中東アジア、インド、南アジア、中央アジア、極東アジア、オーストラリアの十五地区。最も師団の規模が大きいのが中央アジアで、最も小さいのがオーストラリア。VANの本部があるオーストラリアは特別で、アグニア本人の管轄地域であり、オーストラリア師団はゼルフィード・ヴォルズィーグが師団長を務める。人数こそ少ないものの、精鋭ばかりを集めた特殊軍である事は明白。ゼルフィードは表向きには存在しないことになっているため、師団長はシェイド名義になっており、ゼルフィードの手が必要な時以外はシェイドに任せられている。
 第零特殊機動部隊は主にVAN内の有力者が謀反を起したときの粛正役であり、その戦闘能力は絶大。
 アグニアの保有する親衛隊と呼ぶべき存在。

○シェイドと刃
 自他共に認めるライバル。
 シェイドが殺し切れなかった唯一の相手が刃であり、刃が唯一仕留め損なった部隊長がシェイドでもある。
 因縁は刃の覚醒の時からであり、シェイドはVANを否定する刃を嫌っているものの、実力だけは認めている。また、シェイドは刃が仇を討つ相手でもあり、刃もシェイドに対して凄まじい敵意を向けており、二人が戦う時には互いに「手を出すな」とそれぞれの仲間に指示を出している。
 普段の性格が実は似ていたりする。

○第二特殊機動部隊と第一特殊機動部隊
 仲が悪い。部隊長のクライクスとダスクはあまり顔を合わせる機会が無いが、お互いを「それなりに良い奴」くらいにしか思っていないが、部下同士で不協和音が生じている。両方とも自分の部隊長が一番だと考えてるから、第二特殊機動部隊(以下、第二特機)は自分達の上にあんなガキンチョがいることを不満に思ってるし、第一特機は次期「長」最右翼とか言われてるクライクスが気に食わないから、時々衝突する。
 特にリゼとレイニスはVANに入る前からクラスメイトだったために顔見知りであると同時にライバルで、なんか顔を合わせる度に女の戦いを繰り広げていたとかいなかったとか。
 因みに、第二特機はメンバーが六人と実動部隊中一番人数が少なく、クライクス意外の能力者は、経験と技術こそ在れど能力的には目を引く所が無かった。それを最大限引き出していたのがクライクスであり、彼がいなくなってから低迷してしまう。部隊員は北アメリカ師団所属の大隊長で構成されており、本来はそちらの仕事に勤しんでいるとか。ただ、第二特機は特殊部隊としては一番稼動回数が多く、最も任務をこなした部隊だった。 アグニアはクライクスを信頼していた模様。面倒毎は全部第二特機へ。


<蒼光裏設定垂れ流し>
○ダスクについて。
 主人公に理解を示す敵方の重要人物であり、ライバルとして設定したキャラクター。
 結果的にはラスボスであるアグニアの超絶さ加減を引き立てるために、アグニアの手前で最後に光の前に立ち塞がる敵でありながら、手も足も出ずに倒されてしまう咬ませ犬もいいとこのかわいそうな立ち位置に。初期構想では全力で互角の勝負を繰り広げる予定だったんですが……。
 とは言え、結果的には和解して離脱するものの、光を応援する形になったのはダスクというキャラクターの物語としては良い終わり方だったのかもしれません。
 書いているうちに「VANに属した場合の光」を連想させるようなキャラクターとなり、ある意味では影の主人公と言えなくもないですね。ダスクというキャラクターが過去から引き摺って抱えてきた苦悩に対する答えは、最後の光との戦いではっきりした形になったかな、と。
 書いていて気に入ってしまったこともあって、ライト・ブリンガー・シリーズでは色々良い立ち位置に(笑)

○霞について。
 実は蒼光1のヒロイン的役回りで設定したキャラクター。全然そうは見えませんが(爆)
 当初から「光に告白してその直後に死ぬ」ことを背負わされた結末が決定されたキャラクターであり、「修に出会えなかった孤独なままの場合の光」を連想させるキャラクターでした。
 蒼光2のラストで光と霞が背中合わせに反対方向へ歩いて行くシーンはちょっと意図したもの。霞に光と同じ道は歩めないという暗示であり、霞が今のままなら光が出すような答えを見い出すことができないという暗示でもありました。逆説的に、光はしっかり変わってきているという意味合いもあるシーンです。
 もしも「美咲が生きていたら」霞も生き残り、答えを見い出すことができだろう、というキャラになりました。つまるところ、「変われなかった光」という、光が生きることに失敗した、つまり前向きになれなかった場合をイメージさせるキャラクターです。

○美咲について
 実は蒼光2のヒロイン、ではありません。ヒロインと見せかけて脇役、という位置づけのキャラクター。
 光に告白し、交際を始めるというのは当初からの案であり、その上で死亡するのも最初から決まっていたキャラクターでした。光の意識の甘さやVANという組織の強大さと、強い力を持っていても一人である非力さなどを表現するための存在です。
 同時に、美咲を好きに至れなかったのは「光がセルファを意識している」ということへの伏線でもありました。それでも光に対して中々大きな影響を与えてたりします。ある意味では一つのトラウマになっているかもしれません。
 色々と寛容な良い娘だったせいか、人物投票で一位に。あのタイミングで退場というのも要因なのかなぁ。

○シェルリアについて
 蒼光3のヒロイン、ではありません。美咲同様、脇役という位置づけのキャラクター。
 告白したりもしていますが、純粋に興味と理解を示したがために仲間になったというちょっと思考回路が特異なキャラクターです。ちゃっかり光に好意は抱いていたものの、それも運命と受け入れて割り切ってしまえる若干不思議なキャラでもありました。

○孝二、香織、克美について
 孝二と香織については、蒼光1の時点で既に状況の設定が固まっていました。孝二は光の父が戦っていたことも、VANのことも、光と晃が覚醒する可能性も、襲われるかもしれないことも全部知っていて、全く関わりのない香織とはせめて結婚しないと決めている人物でした。好意は持っていたため、香織を本気で遠ざけることもできず、最終的には蒼光3の一件で晴れて結婚することに。
 克美は孝二、香織と高校時代の同期で、香織とは比較的仲が良かったという設定のキャラ。蒼光3にて、光の家族に潜り込むに適したキャラとして考案した人物で、同時に孝二と香織の問題にも決着を与える存在だったりしました。

○深輝について
 当初は光と晃の実の姉妹、という設定でした。とは言え、蒼光1の段階ではまだその存在すら考えられていなかったため、実の姉妹という設定には色々無理があり、最終的に親戚、という設定になりました。
 妹とすると年齢的に厳しかったり、姉とすると今度は長兄である晃との位置関係的な問題があったりで、どうしても存在が不自然になってしまうため、光の父の従姉妹、という親戚関係に。結局、光と晃にとってはお姉さん的な立ち位置の親戚とすることに落ち着きました。
 孝二と同様、光の両親の真相を知っていて、その上でVANに挑むことができず、VANに与することにした過去を持ち、「光もしくは晃と戦って死ぬ」ことを決意していた人物でした。VANに逆らう者には自分を超える実力が必要と考え、「光たちを鍛えるための存在」として生きてきた「壁」となるキャラクターに。

○晃について
 光の兄が覚醒するという案は最初からありましたが、最初はただ光と張り合って喧嘩をして仲間になる予定でした。それがVANに渡る設定となったのは、モデルになった私の兄が自分とは正反対の性格をしているということもあって、なら光と正反対の立ち位置にしようとVANへ渡らせました。正反対なので「訓練したため強いが実戦経験がないので精神的に脆い」「光のように割り切った考えもできない」という点まで光とは反対の悩んでばかりのキャラに。
 それでも最後は光の側として戦って散りましたが、当初は晃の死を光が知るのは晃が死んだ直後ではなく、アグニア戦直前ぐらいまであの時の爆発が晃だと気付かない予定でした。因みに、全く知らないまま、なんていう案もあったりしました。
 因みに、晃の最後のセリフ2つは私の兄からのリクエスト。勢いはあるけど良く考えると物凄く格好悪いセリフになってます。
 実は、晃がVANの中で恋人を創り、光と本気で戦う、なんて案もあったりしましたが、ボツに。

○ROV四天王について
 実は、本当にこの話を考えた時点ではROVが主人公でした。刃を主人公に、大切な人を殺された復讐を背負って戦う物語を考えました。
 が、結構ありきたりで、武器が刀だったり剣術だったりといかにもな超強い主人公設定過ぎたのでそのまま使うのはボツに。
 むしろ最初は全然平凡に見える一個人を主人公に据えて、いわゆる善でも悪でもない、第三の立場で戦いを続けていく物語を考えたのが蒼光の出発点。その頃の初期案では、光はROVも敵視して、最終的には三つ巴で刃もアグニアも倒してしまうような方向性だったりしました。蒼光2で刃と戦って負ける流れはその設定が最も色濃く残っている部分です。
 本編でもちょっとだけ触れてますが、刃は「セルファが殺された場合の光」を連想させるキャラクターになっています。

○聖一について
 ROVと同様、当初は仲間になるキャラクターではありませんでした。完全に戦いとは離れた位置にいる達観した存在として考えたキャラクターでした。
 ただ、聖一というキャラクターの立ち位置や思考を組み立てて行く上で、自然と仲間になるという方向性で話が進んだ形です。
 極力自分が戦闘に巻き込まれぬよう、両勢力に対して「自分を敵視しないこと」を条件とした情報提供契約を結ばせ、時には自衛のために情報操作などもしていたりする設定がありました。

○アグニアとセイナについて
 蒼光のラスボスでありヒロインの両親です。
 アグニアとセイナはかつては互いを意識しあう仲でしたが、意見の違いから最終的にくっつくことはなく、どちらともなく離れて行き、適度な位置を保つ冷えた仲に。
 セイナはセルファを身篭った時点で、娘のためにと明確な目的意識を持っていましたが、性格や自身の境遇などの問題から娘に上手く愛情を注げず、結果としてセルファを敵に回すことに。
 アグニアも蒼光の物語では光同様、わがままな生き様を体現する存在です。アグニアが自分の身を案じて光を始末させようと画策するのが蒼光の背景です。表向きは能力者を率いるカリスマリーダーですが、実際は目的のためには手段を選ばない人物でした。
 冷めた仲になってはいても、お互いに好意は持っていたため、最後まで離れることはありませんでした。

○セルファについて
 本編のメインヒロイン。蒼光1の段階から、彼女がヒロインという設定でした。
 蒼光1ではまだ光を単なる能力者の一人としてしか見ていません。この1の段階では、両親、特に父アグニアが恐れる光の潜在能力には気付いていますが、それほど彼を意識してはおらず、そのためVANの崩壊という目的のため光を利用しようと、ROVの刃たちに光の力やアグニアが恐れていること、覚醒の時期などをリークし、それが結果として蒼光1で光が襲われる事態に繋がる背景になっています。この覚醒時の襲撃により光はVANに対して不信感を持つに至るため、そこまでの意図はありませんでしたが、光がVANと戦うきっかけを作っています。
 VANというよりも、両親や自分の境遇に対する不満が強く、それがVANに敵対する根底の理由でした。

○修について
 主人公、光の親友という修の人物像は、著者の親友「宮ちゃん」の人格をベースに構成しています。
 光が著者の分身のような人物設定でもあるので、その親友という設定の修も実際に宮ちゃんをモデルにしたというのが実際のところ。光に対して最も理解を示す友人であり、光とはまた違った視点から物事を見つめることのできるキャラクターとして、常に光の隣で戦っていくキャラクターでした。
 ただ、後書きにもあったように、修が覚醒するというのは蒼光1を書いている中では予定外のもので、修は力を持たないなりに光を支えていく、というのが当初の構想でした。が、話を考えていく上で大きな組織であるVANが修を狙わないのも不自然だし、蒼光1で一度失敗したとはいえ、効果的であることは発覚しているし、と考えて行くと修にも覚醒してもらって自衛できるようになってもらわないと色々大変という結論に至り、戦力として加わることに。
 その後は参謀など、色々な面で光を支えるキャラクターとなりました。最終章「7」へ向かう直前「6」のラスボスは今まで共に戦ってきた彼以外にはいないと思い、彼が覚醒することになった時から光と最後にぶつかりあうことは確定していました。
 もしかするとこの話の中では一番幸せなキャラかもしれません。
 因みに、修と深く関わっている有希、クライクスなどのキャラクターは宮ちゃんに基礎案を考えてもらっています。

○光について
 ぶっちゃけ私自身です。
 蒼光の物語は、著者である「私自身がこういった世界や状況の変化に呑み込まれたらどうなるか」というシミュレートを一つの基礎案にしていたりします。光の思考や世界に対する見解、状況に対する不満などは、その世界に生きる「光という人物をフィルターとして」ぶちまけられている私の本音だったりするところが多いです。
 初期の頃の光が内気でコンプレックスを強く抱いているのには、私自身があまり良い高校時代を過ごしていなかった背景も確実に含まれています。話が進むにつれ光の思考が変化していくのも、私自身が大学へ進み、環境や生活の変化によって色々開放的になったことも少なからず影響していると思います。
 光もアグニアも、同じ「自分の望む未来のため」に戦う人間であり、その望む未来にお互いが危険だったというのが蒼光の対立の原点であり、「そっとしておいてくれれば何もする気はなかった光」と「危険は排除しなければ安心できないアグニア」の思いのすれ違いも含んでいます。
 「わがままに生きる」がテーマですが、単なる自己中心的な考え方ではなく「理解を示す」ことの重要性もこの作品には含まれていました。

○蒼光全体解説
・1について
 出発点です。光が覚醒し、能力者という存在を知ってどうするかを決める話であり、この話における結論は現状維持。
 「せめて近づけようとする」という光の父の言葉はこの時点での答えであり、光が最後に超えなければならない父の存在を暗示していたりします。
・2について
 認識の甘さを痛感する話です。美咲の死を中心に、光に現状維持の難しさとその答えでいいのかを問う話になってます。
・3について
 転機です。2に引き続き、甘さを認識しつつ、現状維持という最初の答えを撤回し、根底の思いだけはそのままに戦うという結論を見い出す話です。
・4について
 今まで水面下での変化だったものが、表の状況にも変化をもたらし、状況が一変する話になってます。一変した状況の中で、現状維持はもうできない、状況が否応なく戦う方向へと進み、光自信も意識を切り変えていく話になってます。
 そしてようやくヒロインとの接触。
・5について
 戦うことの難しさを痛感する話。というよりも、2での敗北とはまた違う敗北を知る話。仲間を失い、仲間になり得る素質を持つ深輝は聞く耳を持たず、最後はシェイドに敗北という三段構え。
 敗北=死を実感する話でもあり、今までの戦い方や今の実力では勝ち目がないことを自覚する話になってます。
・6について
 7へ向けての準備のための話。
 修との戦闘は当初から考えていたイベント。
・7について
 蒼光という物語を完結させるための話。
 光の最後の結論「掴むまで足掻く」が蒼光というシリーズで問われていたものの答え。この答えに辿り着いた時、光は「せめて近づけようとする」父を超え、アグニアを倒す力と意思を手に入れました。

・「全てが思い通りに行くことなんてないから、少しでも近付けようとする」
 光の父、光一の言葉であり、光を途中まで支える意思を代表する言葉です。
 理想は理想として、その形のまま叶うことは100%あり得ない。ならどうするか。せめて限りなく理想に近い形に持って行こうという前向きな意味を持った言葉であり、これでも十分過ぎるくらいの意味合いを持っています。
 当初は「今までの生活という理想はもう二度と手に入らない」ということを示し「違う部分、変わってしまった部分はあっても今まで通りに近い生き方を」という光の現状維持を支える言葉になっていました。
 ただ、蒼光というシリーズにおいて、この言葉は光が戦うことを決意してから、特に5以降からは「妥協」という意味合いのとらえ方に変わって行きます。「得られたものが理想に近いものであれば、多少不満があっても構わない」そんな意味合いとして、光にとって父を超えるために、「それ以上の答え」を問いかけるものになっています。

・「思い通りに行かないなら、掴むまで足掻く」
 蒼光というシリーズのテーマ「わがままに生きる」という結論を示す言葉です。
 たとえ、思い通りに行くことが何一つなく、結果的に思い通りにならなかったとしても、足掻き続けるという意思の表れであり、「わがままに生きる」というシリーズのテーマを示す答えです。「少しでも近付ける」に妥協しない、「結論が出るまで理想を追い続ける」ことを示し、例えその結末が理想とは違うものでも、その時に後悔しない生き方を求める姿勢が込められています。
 蒼光という物語で描かれてきた光の生き方の結論となっています。

○おまけ 光の寿命の推移
 初期設定の光の寿命は85歳前後。
 各部で10年分消費していくと、蒼光1で寿命の最大値が75歳、蒼光2で65、蒼光3で55、蒼光4で45、蒼光5で35、蒼光6で25となり、蒼光7で10年分消費すると15の計算ですが、この時点で光の年齢は16歳となるため、ここで使い切る計算になってます。
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