フリード君の小説講座出張版 〜シャイニングとシャドーの小説講座〜 5.「小説」を書いていく中に! |
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「リアリティって言えば、 ご都合主義にならないようにしないといけないんだよな」 |
(゚д゚ ) カール |
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「現実味を持たせて、説得力のある書き方をするんですよね」 | (゚∀゚ ) フリード |
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「書き手はその物語を綴っているわけだから、 結局は作者の都合で色々組み合わされてはいるんだけどな」 |
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「それをどこまで自然に紡げるか、っていうのが大事だね」 | ||
「自然に、って言われてもこれまた難しいなぁ」 | (゚д゚;) カール |
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「ボクも公爵に突っ込まれたなぁ」 | (・ω・` ) フリード |
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「ま、ここは設定とかの問題だな。 設定の「基準」っていうのを ちゃんと読み手に理解させられるかどうかだ」 |
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「登場人物や設定の背景とか、置かれている立場、状況、 それらがその世界での常識と比較してどの程度のものなのか、 盛り込んでいく必要があるね」 |
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「そのキャラクターの強い理由、これまでの経緯、 そうでなければならない必然性、とかな」 |
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「その世界の常識と比較して、っていうのは?」 | (゚ω゚ ) フリード |
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「例えば、一般人が同じ経験をしたら そのキャラと同じぐらいの強さに届くのかどうか、 ってことだな」 |
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「もし届かないなら、それなりの理由や背景が欲しいね。 こういう設定や背景、力があるから、とか」 |
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「その力とかにしても、 一般人が同じ力を手にしていたら同じレベルになるかどうか、 とかな」 |
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「うーん、何か具体例はないの?」 | (゚д゚;) カール |
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「じゃあ、 『白銀』の書いた初期作であり代表作でもある 『蒼光』で考えてみようか」 |
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「『蒼光』の主人公『光』は最初は普通の高校生だったわけだが、 物語の開始とともに『具現力』という特殊能力に目覚めて、 それを使える『能力者』を巡る戦いに巻き込まれていくわけだ」 |
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「『蒼光』における主人公は『極めて強力』な力を持っていて、 敵の組織はその力を危険視して主人公『光』を追い詰める。 敵組織に抵抗するレジスタンスは逆に その力を敵との戦いで自分たちに有利になるよう 協力したりもするわけだ」 |
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「けれど、状況は主人公にとって不利なものばかり。 主人公は戦うことを嫌がって、 それが原因で身近な人が傷付いたりもする」 |
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「強いけど、それだけじゃ乗り切れないってことか」 | (゚д゚ ) カール |
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「戦うことへの迷いをふっ切っても、 主人公一人の力だけじゃあ組織は巨大過ぎてとても敵わない」 |
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「状況に翻弄されながらも、 それでも立ち向かう主人公は仲間と共に成長していくんだ」 |
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「ま、それでも一回死んだりするんだけどな」 | ||
「あれはびっくりしましたよ。 まさか主人公が死んじゃうなんて思いませんでしたから」 |
(゚∀゚;) フリード |
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「結局は助かるんだけど、 主人公も死ぬ可能性が十分にある、 って読み手に認識させる展開なんだね」 |
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「あそこで 「主人公だけで戦っていたら、助からなかった」 って想定できることが重要だろうな」 |
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「仲間がいたからこそ、ってことですね」 | (゚∀゚ ) フリード |
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「主人公は基本的に死なない、っていうのは 物語の主人公である以上は読み手も想像できるんだけど、 その死をどう回避するか、っていうところの説得力の問題だね」 |
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「その死を回避する場面の設定や展開なんかが重要だな」 | ||
「特に、今まで強敵を乗り越えてきた主人公が負ける、 しかも致命傷を負って生死の境を彷徨う展開とかは 他の作品でも良く見られるけど、 そういう「負ける こともある」「死なないわけじゃない」 って認識させる展開を盛り込むことで、 単純に主人公が最強じゃないって 認識を持たせようとしてるんだと思うね」 |
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「同時に、そういう窮地を乗り越える展開ってのには 大きなカタルシスもある。 物語の山場にはもってこいだ」 |
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「あ、確かにそういう場面は燃えるよな!」 | (゚∀゚ ) カール |
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「また、『蒼光』で言えば、 主人公の力は敵組織のボスに唯一対抗できる 特性を持っていたけれど、 それと同時にラスボスにはない『デメリット』もある 対極 の存在だった。 その『デメリット』っていうのが最終局面で最後の壁になるし、 それをどうやって克服するかが最後のどんでん返しだった」 |
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「この『デメリット』がある、っていうのも 主人公を万能、つまりご都合主義に見えないように するための設定だったりするわけだ」 |
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「見えないようにするため、なんだ?」 | (゚д゚ ) カール |
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「結局は作者の設定でそうなってるわけだからな」 | ||
「いかに、『超展開』に感じさせないかってところだね。 『蒼光』でも主人公は最初からかなり強力な存在で、 ラスボスに対抗できる力もあると仄めかされて いたけど、 第二部ではさっそくレジスタンスのリーダーに負けたりしてるし、 さっきも言ったけど一回本気で死にかけるし、 決して主人公は簡単に勝ち進んでい るわけじゃないからね」 |
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「なるほど、確かに……」 | (゚ω゚ ) フリード |
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「仲間が傷付いたり、命を落としたりしても、 その場に居合わせなかったってことでそれを救えなかったり、 自分の無力さを痛感したり、悩んだり。 そういうのって、自然でしょ?」 |
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「同時に、 それらの積み重ねの中に主人公が成長する要素だったり、 その後に重要になる事象が含まれてたりするわけだ」 |
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「それが伏線か!」 | (゚д゚ ) カール |
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「そういうこと。 主人公の力に『デメリット』が存在するっていうのも、 最後の窮地からのどんでん返しへの伏線なんだね」 |
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「ま、細かいところを挙げ出したらキリがないな。 『白銀』のウェブサイトの中には 裏設定の暴露ページなんかもあるから、 本編読んだ人は見てみると新しい発見があるかもな」 |
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「結構本編で触れられていない設定もあるんですね」 | (゚∀゚ ) フリード |
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「そういう設定が組まれているっていうのは、 より世界観や設定が固められてる、ってことだからね。 本編中に直接触れていなくても、 そういう設定があれば 深く書き込んだり 読み込んだ時のブレを抑えられる。 基本的には本編中にも盛り込まれていたりするものだけど、 書き方がさり気なさ過ぎて気付けないのが多い かもしれないね」 |
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「この、作者の意図とか連想とかイメージってのも何だか面白いな」 | (゚∀゚ ) カール |
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「うん、何ていうんだろう 「あれはそういうことだったのか」 って」 |
(゚∀゚ ) フリード |
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「その辺は書き手のこだわりだったりもするな」 | ||
「作品全体のテーマとか、そういう話にもなるね」 | ||
「テーマ、ですか?」 | (゚ω゚ ) フリード |
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「『蒼光』のテーマは『生き方』だ。 このテーマってのは、簡単に言えば、 書き手が読み手に気付いてもらえたら嬉しい 『著者の主張』って奴だ。 『この物語ではこういうことを言いたいんだ』っていう感じ」 |
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「物語だけじゃなくて、 登場人物それぞれにも 『こういう意図があってこんなキャラクター』 っていう裏設定をしてたりもするね」 |
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「それだけじゃない。 本編中でさり気なく描かれているものにも 『これはこういう意図』とか『これはあれの暗示』 とか、ってのがあったりもする」 |
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「ええっ、 それじゃほとんど全部が伏線とかってことじゃないんですか?」 |
(゚∀゚;) フリード |
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「そうかもね。 ただ、意識してそういう風に書かれている場面だとか キャラクターだとか、 っていうのは結構あるんじゃないかな」 |
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「『蒼光』はそういうの多いな。特にキャラクター関係」 | ||
「ひええ、気が遠くなる……」 | (゚д゚;) カール |
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「まぁ、初心者にはまだ難しいかもね」 | ||
「けど、物語に深みを持たせる一つの手でもあり、 物語を書くって意識の根底にもなりうるからな。 書くのに慣れてきたら盛り込んでいけるように 意識してみるのはいいと思うぞ」 |
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「確かに、そういうのに気付けたらより楽しめそうですね」 | (゚∀゚ ) フリード |
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「こういうことなのかな、って思いを巡らるのも面白そうだよな」 | (゚∀゚ ) カール |
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「そうなってもらえたら書き手としては嬉しい限りだよね」 | ||
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