コラム
――小説とゲームの関係――

 基本的に私の描く小説は戦闘が必ず入る。
 小説という分野を趣味に持った経緯が「ガンダム」という「戦争もの」だったから、というのも多少はあると思う。ただ、最近の映画やアニメやマンガには「戦闘」というものが多い。
 単にそういうものが好きだ、というのもある。
 自分の小説を見返してみると、この戦闘の描き方にも一つのパターンが見い出せる。
 それは、「最初から主人公が強い」というものである。
 主人公の弱い小説が基本的に好きではない、という事もあるが、理由の一つは自分の希望だ。一口に希望と言っても、「自分が強くなりたい」という願望ではなく、「この方がいい」と思うだけである。

 ここで話題は少し変わるが、私は基本的にRPGが嫌いだ。
 好きなゲームの中にもRPGはいくつかあるが、それは、「その作品が一般的なRPGとは違う」からだ。
 私が嫌いなRPGの典型は、「ドラゴンクエスト」のようなものだ。最新作はどうだか知らないが、私が知っている範囲内でのドラゴンクエストといえば、「仲間が後ろからついてくる」「戦闘中はプレイヤー視点」の二つのシステムがある。この二つのシステム、特に後者が嫌いなのである。
 戦闘と言えば、プレイヤーが動き、敵が動き、というものなのだという概念が既に形作られているために、プレイヤーが見えない、というのは面白くなかった。
 その点、「ファイナルファンタジー」はプレイヤーが見えるサイドビュー仕様だったため、受け入れ易かった。シナリオや世界観的にも、ファイナルファンタジーの方は奇抜なものが多く、気に入った作品もある。
 何か一般的なRPGとは違う、「RPGらしくないRPG」というのが基本的に好きなのである。
 例えば、「レガイア伝説」。これは、攻撃をコマンド入力で行い、その組み合わせによっては「アーツ」という技が発動するという、格闘ゲームのような攻撃方法を導入したRPGだ。プレイヤーの動きが見えるという事と、アクションのある戦闘システムが気に入った。シナリオも個人的には悪くなかった。
 また、「.hack//」もRPGだが、こちらはオンラインRPGをモチーフにしているため、フィールドを歩いて敵とエンカウントするだとか、ターン制での戦闘だとかいった要素がなく、○ボタンで攻撃、敵から離れれば攻撃を避けられる、などの3Dアクション的な要素が強かった。シナリオや設定の奇抜さからも、これは直ぐに気に入った。
 因みに、シミュレーションゲーム、というジャンルも嫌いではない。恋愛とかではなく、「Gジェネレーション」や「悪代官」といった、戦略的なものだ。時間がかかる事が難点ではあるが、ステージをクリアするための戦略を考えて進めていくのは楽しい。将棋が好きだという事も少しは影響しているのかもしれない。
 多分、もうお判りの事と思うが、私が好きなゲームのジャンルは「アクション」と「シューティング」に分類されるものがほとんどだ。
 「ガンダム」は勿論の事、バーチャロンやロックマンといった、アクションゲームが大好きである。コントローラでの操作がダイレクトに影響し、自分の思う通りにキャラクターが動くのが良い。
 どんなに強い敵が現れても、上手くキャラクターを操れば勝利する事ができる。
 つまり、「自分の腕で何とかできるゲーム」が好きなのだ。
 「レガイア伝説」も、アーツシステムを上手く活用して効率良くダメージを与えていけばレベルが低くてもボスを倒す事ができる。「.hack//」も、スキルのタイミングや仲間への指示、プレイヤーの行動によって、レベルが低くても敵を倒していける。シミュレーションゲームは勿論、戦略こそがものをいうゲームなのだから、プレイヤーの戦略次第ではいくらでも進む道筋がある。
 アクションやシューティングは前述の通り、プレイヤーの操作でなんとでもできるゲームだ。
 RPGのように、レベルが足りないとボスに勝てない、という事はない。
 だから、アクションやシューティングは、プレイヤーが上手ければ、操作するキャラクターがたとえステータスが低くとも「最初から強い」のだ。

 ここで話が戻る。
 私が書く作品の主人公が「最初から強い」のは、現実の世界がRPGではなくアクションだと思っているからだろう。
 技術さえあれば、力の差は埋められる。
 勿論、主人公は生まれた時から強かったわけではなく、作品に登場するまでに様々な経験をして成長し、登場する時点、即ち現在に至るはずだ。努力する技術、もあったという事だ。
 それに、主人公が最強だからといって、本当に最強だという保障はどこにもない。作品の中でのラスボスは主人公並か、それ以上に強い。その強さの差を、主人公がいかにして埋め、最後に勝利するか、が「技術」であり、「アクション要素」なのだと思う。
 明確に断言して説明できないのがもどかしいが、私の作品は基本的に「アクション」もしくは「アクションRPG」なのだ。
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