コラム
――二次創作のススメ――

 今回のコラムは、私が二次創作を書く際のポリシーについてです。
 違う意見や思想の方もいるかもしれませんが、『あくまで白銀個人のポリシーとして』読んで頂きたいと思います。


 私は基本的に二次創作モノを好んで書きません。
 理由としては、『原作の世界観を壊してしまう可能性がある』というのが一番大きいです。
 この理由の中には、例えば、『原作の続きを二次創作した』として、『原作が続いた』場合も含みます。この場合、二次創作した作品が原作の続きとなることは(似通うことはあっても)ありえませんから、二次創作品の方はパラレルワールド的なものとなってしまいます。
 正直なところ、私はパラレルワールド的な位置付けにするのは嫌いです。
 原作が好きだから二次創作をするという気持ちは解りますが、パラレルワールド的な位置付けで満足したくないというのが本音です。
 とはいえ、最初に作者が『これは原作のパラレルワールドです』と注釈しているのなら別です。そういう設定でなければその作品が成り立たないのであれば、作品を肯定するためにはパラレルワールドという設定にしなければなりませんから。
 もっとも、私はパラレルワールドとして二次創作された作品は苦手ですけどね。
 パラレルワールドとして二次創作するというのは、キャラクター設定と世界観だけを引っ張って来て作者の好き勝手に物語を作っているようなものですから。
 私は原作に忠実でありたいと思っています。
 設定についても、物語についても、二次創作をするからにはきっちりやりたい。設定を活かして、本編の物語を活かして、それでいて二次創作として『あってもなくても本編には影響が無い』作品を描きたい。
 私のポリシーは『二次創作はあってもなくても本編に影響が無い作品』です。
 極論を言うと、『無くても問題ない作品』です。
 二次創作の中には、本編に絡み過ぎて原作の内容にまで影響を及ぼしてしまうようなものがあります。その傾向が強いのは、『原作の後の話』を二次創作した場合です。
 私なら、『原作が続いても間に挟めるような二次創作』にしたいですね。
 二次創作というのは、原作に絡んだ話になりますが、絡まないでおくと『別の作品』、つまり『二次創作として原作の世界観を使う必要がない作品』になってしまいますし、かと言って絡み過ぎると今度は『原作の世界観を損なって話しを続けてしまう作品』になりかねません。原作者が続きを書いたら作品の立場も危ういですしね。
「原作の続きよりこの二次創作の方が好き」
 なんて感想はまずありえないでしょうから。
 原作は原作者のものであって、二次創作は原作者にとってはイレギュラーな作品に近いわけですし。
 二次創作の難しいところは、この辺りの兼ね合いなんだと思います。
 原作の世界観を損ねずに、かつ、切り捨てられても支障の無い作品である方がいい。加えて、作品単体としての面白さもなければならない。
 一から物語を考えるのとはまた違った難しさがあります。

 二次創作には、他にも『ゲームのノベライズ』や『マンガのノベライズ』、『アニメのノベライズ』などの『小説以外の作品をそのまま小説にする』というものがあります。勿論、公式のメディアミックスは除きますが。
 この辺、考えものです。
 『小説にしたい』とは思いますが、問題が二つ。
 一つは、『原作の価値を損ねる』ということ。もう一つは、『作品としてどうなのか』ということです。
 一つ目の『原作の価値』というのは、ノベライズすることによって『原作を見る必要が無くなってしまう』ということです。『面白かったら原作も是非!』というのは作者の意見であって、読者の中には『原作の内容が解ればいいや』という人もいるかもしれません。
 それに、もしもノベライズが不評であれば『原作もつまらない』と見做されてしまう可能性もあります。逆にノベライズが好評だったとして『原作はイマイチだった』という感想が出てきても最終的には『原作にマイナスのイメージ』がついてしまいます。
 原作のファンだから、自分で小説にしたいという気持ちも解りますが、原作と全く同じでは原作の価値を損ねるだけでなく、その作品の価値を損ねることにも繋がるように思うんです。
 二つ目の『作品として』というのは、『どちらか一方を見れば内容は全て判ってしまう』という点です。
 作品を『小説にする価値があるのか』という根本的な疑問が付き纏います。結末や伏線、どんでん返しなど、全てを知っている作品の小説を読む必要があるのか、ということです。逆もしかり。小説では表現し切れない部分もありますから、それを見るという楽しみは確かにあります。ですが、それでも原作を見る気を削がれてしまう人は出てくるでしょう。
 逆に、小説でしか描けない面もありますが、これは原作と一致しているかどうかというと怪しい部分です。作者が原作を見た主観を元に小説化するわけですから、文章は著者の主観が必ずといっていいほど入ります。場面や感情などの解釈が原作に忠実かどうか、読者には判断できません。
 原作を忠実にノベライズする際にはこういった問題が生じると思います。
 また、原作にオリジナル要素を加えて小説化するという二次創作もありますが、これも私はあまり好きではありません。
 オリジナルの要素は、それだけで『原作には無い』ものですから、加えた時点で『原作の世界観は壊して』しまいます。たとえそれで絶妙な良い作品になったとしても、『原作のノベライズでは無くなって』います。
 これってどうなんでしょう。

 私は、『原作に忠実な作品に』して欲しいと思います。
 ですが、『原作と全く同じではつまらない』とも思ってしまいます。
 かと言って、『あたりさわりの無い作品』でも作品としてどうかと思うんです。
 矛盾しているようにも思いますが、『原作を盛り上げる作品』を書きたいと私は考えています。

 こんな葛藤や思いはありますが、結論は、
 『原作の設定を活かし』つつ
 『原作の物語に絡み』ながら
 『原作にとってはあってもなくても良く』て
 『原作とは関係なく作品単体としても面白い』
 そんな二次創作をしたいと思います。
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